ホーメィ ヴォイスパフォーマー 徳久ウィエイアム

体育会系のマッチョな身体付きでイラン音楽の繊細さを語り、強い眼をして音楽を語ったかと思うと、ライブにてロシア連邦・トゥバ共和国民謡のオッペイ・ホーメィをオッパイ・ホーメィにパロディしたと天真爛漫に笑う。人を包み込むような寛容さを持ちながら、話していて通じ合わない物を感じる感覚はアーティスト職の特有のものなのか? 笑い声は近いような遠いところを行ったり来たりした。(文責:渡辺タケシ)

ノイズ音楽表現をする数少ないアーティスト

「喉、唇、舌、歯、ほほ、軟口蓋、鼻腔、極端に低い声、喉の鳴り、カ行(破裂音)、吐息だけ、そういった10以上の要素で口から様々な音を出すとこが出来る」。そう語ってくれる本人は東京のみならず、日本全国で年間100本以上のライブをこなすヴォイスパフォーマーであり、また、ヴォイスのみを使ってノイズ音楽表現をする数少ないアーティストだ。そのライブはソロもあるが、打楽器、ポエトリーリーディング、舞踏、演劇、時に絵画作品、様々なジャンルとのセッションの形式をとっている。高円寺の円盤というレコード屋では自身の企画(ウィリ山マウンテン/毎月第1日曜日)を任されるほどの人気がある。言うなれば知る人ぞ知るアーティストだ。そのライブを見る人は一般的なポピュラー音楽とは一線を画す音楽表現を見るだろう。

大学を卒業時、進路としてスポーツ科学を消去法で決めた。「サラリーマンになりたくないことはわかっていた」。しかし、進路は舵を取る前に方向を変える。同級生との出会いをきっかけにバンドライブ出演をする。22歳にして初めてのステージは、今度は積極的理由で進路を音楽へと進めることになるきっかけとなる。始めは手に職がつけられそうだという理由でweb制作のバイトをしながら、バンドで音楽活動をスタートさせた。遅咲きの音楽活動にはいろいろな課題があった。「バンドを始めたのだけど、自分が好きなハードロック、メタルのジャンルでは花形はギターだった。年齢的にも今からギターを始めるにはうまい奴は大勢いすぎた」。昔から歌う事は好きだったのでヴォーカルを担当する。

しかし、バンドという視野だけではなく、日々ヴォーカリストとしての斬新さ、差別化を求めて勉強を繰り返すうちにモンゴルのホーメイ、また、様々なヴォイスパフォーマーと出会う。バンドは音楽性の違いにより脱退、1999年、倍音唱法を特色とする倍音Sを結成。3年間の活動を経てモンゴルに3ヶ月音楽留学する。その後、倍音Sを脱退。1年間映画美術学校に通い音楽理論を勉強し、自身が主催する団体、ノイズ合唱団を結成(現在は活動休止中)し、現在の活動はソロ活動が中心になる。

映画美術学校に通ったのは即興、前衛音楽家が多く持つ音楽理論へのコンプレックスに対して懐疑的な興味を持ったからだ。「音楽理論と言っても腰を据えて2,3年間勉強すればある程度はものにする事が出来るのではないか?」と思った。講義では音楽理論のみならず、講師陣から教え方のノウハウも会得していく。毎回、自身の進路を決める度に自分の気持ちと他者の状況を考え、確認し、差別化を前もって考え、戦略をたてて学んでいく姿勢は自身の喉を商品としたビジネスマンと言ってもいいかもしれない。

「戦略を立てて実行していく点で他の社会人とはやっていることは変わらない」

自分を他の33歳と比べて、「戦略を立てて自分の音楽を実行していく点で他の社会人とはやっていることは変わらないと思う。焦った時期もあったし、週1回のweb制作のバイトも続けているが、今は結果が現れているし、他のアーティストでもかなりとがった表現をしている人でバランスよく音楽で生計を立てている人はいる」と言う。周りを冷静に見る力は幼少の頃の海外生活の影響もある。「日本人や日本文化に対する見方が俯瞰するような視点になった」と答える。日本に帰ってきた時の高校時代は全く友達ができなかったという。「図書館にいりびたってLDを見まくった。窓際の席で外を見ていた」。現在でも内と外での自分の意識の違いは実感しているという。

音楽として、また、エンターテイナーの進路として声に行き着いたのならば、声にこだわらずともエンターテイナーとして、音楽に限らず声を使い、また、エンターテイメントとしてではなく、純粋に声を職業にしてもいいのではないか? しかし、声と音楽にこだわる。声の可能性の半分も現代人、また、ミュージシャンは活かしきれてないという。そして、自身もヴォイスを使った即興表現、jazz的なアプローチを現在試行錯誤しているという。

「今を生きる」ことを信条とする。自分で考え、道を決め、決めた道をただ掘り下げていく。非常に頑固で、自身の喉に対して職人的でありながら、しかし、周りの状況を常に考えるビジネスマン的なアーティストと言えるかもしれない。

座右の品
お酒

基本的には身体に悪いといわれているが、正しく飲めば百薬の長。そういったバランス感覚が、試されるのも、与えられるのも好き。

【略歴】

1974年生まれ 33歳 東京都調布市在住 ブラジル・サンパウロ出身(〜5歳)→ロサンゼルス(〜9歳)→香港(〜15歳)→早稲田大学高等学院→早稲田大学商学部→NTTDocomoショールーム→web制作会社KAYAC→ヴォイスパフォーマー【星座】双子座【血液型】A型【家族構成】父母妹弟二人【趣味】読書【好きな食べ物】美味しければなんでも、ラーメン二郎【嫌いな食べ物】不味いもの、コストパフォーマンスが悪いもの【お気に入りスポット】庭が見える畳部屋【尊敬する人】たくさん【座右の銘】今を生きる【好きなタイプ】書ききれない【嫌いなタイプ】第一印象が悪くてもその後で深く長く付き合っている人多数。書ききれない【子どもの頃の夢】アメリカの大統領

メールマガジン<VOIZ> http://william.boo.jp/mm.html
ライブ情報 http://www.bloc.jp/william/
ブログ http://william.air-nifty.com/

TOP
2007-05-14-MON






CATEGORY
恋愛面
人生面
芸術面
社会面
経済面
国際面
スポーツ面